2022年11月7日「第四回現代邦楽“考”~現代邦楽の“密”を超えて~」
第四回現代邦楽“考”~現代邦楽の“密”を超えて~
日時:2022年11月7日(月) 18:15開場/19:00開演
場所:浜離宮朝日ホール(東京都中央区)
料金:前売4,000円/当日5,000円/学生1,000円
西村 朗「邦楽合奏のためのヘテロフォニー」(2009)
箏Ⅰ:寺井結子 深海あいみ 箏Ⅱ:野澤佐保子 近藤智子
箏Ⅲ:中島裕康 遠藤和奏 十七絃:阿佐美穂芽 山脇貴久恵
三絃:田中奈央一 琵琶:首藤久美子 笛:新保有生
尺八Ⅰ:青木滉一郎 尺八Ⅱ:長谷川将山 尺八Ⅲ:吉越瑛山
権代敦彦「Nunc Stans~非時(ときじく)~」(2018)
箏Ⅰ:寺井結子 箏Ⅱ:岡戸朋子 箏Ⅲ:牧野広美 箏Ⅳ:花形朋枝
箏Ⅴ:高須真穂 箏Ⅵ:小野桃佳 箏Ⅶ:石井香奈 箏Ⅷ:阿佐美穂芽
十七絃Ⅰ:外山香 十七絃Ⅱ:麗明智翔 十七絃Ⅲ:岡本典子 十七絃Ⅳ:野澤佐保子
三絃Ⅰ:今藤政音 三絃Ⅱ:清野さおり 三絃Ⅲ:富緒清律 三絃Ⅳ:田中奈央一
尺八Ⅰ:吉越瑛山 尺八Ⅱ:清野樹盟 尺八Ⅲ:岩本みち子 尺八Ⅳ:青木滉一郎
尺八Ⅴ:三橋貴風 尺八Ⅵ:松本宏平 尺八Ⅶ:大山貴善 尺八Ⅷ:長谷川将山
金子仁美「地球・生命 3Dモデルによる音楽Ⅶ 邦楽アンサンブルのための」(2021)
箏Ⅰ:寺井結子 箏Ⅱ:阿佐美穂芽 箏Ⅲ:近藤智子
箏Ⅳ:高須真穂 箏Ⅴ:石井香奈 箏Ⅵ:岡戸朋子
十七絃Ⅰ:清野さおり 十七絃Ⅱ:麗明智翔
三絃Ⅰ:深海あいみ 三絃Ⅱ:富緒清律
尺八Ⅰ:松本宏平 尺八Ⅱ:大山貴善
一柳 慧「花鳥風月」(2008)
箏Ⅰ:遠藤千晶 箏Ⅱ:遠藤和奏 箏Ⅲ:中島裕康 箏Ⅳ:寺井結子
箏Ⅴ:牧野広美 箏Ⅵ:麗明智翔 箏Ⅶ:山脇貴久恵 箏Ⅷ:野澤佐保子
箏Ⅸ:阿佐美穂芽 箏Ⅹ:岡戸朋子 箏Ⅺ:石井香奈
十七絃Ⅰ:外山香 十七絃Ⅱ:清野さおり 十七絃Ⅲ:岡本典子
尺八Ⅰ:松本宏平 尺八Ⅱ:大山貴善 尺八Ⅲ:青木滉一郎
尺八Ⅳ:長谷川将山 尺八Ⅴ:吉越瑛山
本公演にて新作を委嘱させて頂いておりました一柳慧先生が10月7日ご逝去されました。現代邦楽“考”のために書き続けて下さってましたが新作をいただくことは叶いませんでした。謹んで一柳先生のご冥福をお祈りしますとともに、感謝の気持ちを込めて初演以来再演の無かった「花鳥風月」(2008)を演奏させて頂きます。
「現代邦楽“考”」は現代邦楽への知見と活動を更に深化させるべくNHK邦楽技能者育成会の卒業生が母体となって結成された。戦後の日本の音楽シーンの中で非常なエネルギーにより膨大なアーカイブを残してきた“現代邦楽”。その名作を今再び掘り起し、未来へ伝えるべき現代の遺産として活性化させていく事、そして現代の作曲家による高度な要求を伴う意欲的な新作を卓抜した演奏によって旺盛に紹介、委嘱していくことを活動の柱としている。
世界中を席巻したパンデミックは邦楽界にも甚大な傷跡を残したが、このような情勢の中でこそ歩みを前に進めるべきであると過去公演を総括しながらもより進歩的な現代邦楽の公演を企図し、一柳慧氏へ新作を委嘱した。
「現代邦楽の“密”を超えて」の“密”は、音楽を通じて人と人の心的コミュニケーションを取り戻すことだけでなく、一柳氏の邦楽器を用いた佳作「密度」にもかけている。コロナ禍を乗り超えることはともすれば安易なるプロパガンダに陥りやすい概念ではあるが、全ての芸術関係者が今一度熟考しなければならない課題であることもまた事実であろう。世界中を席巻した“密”というキーワードを媒介にプログラムを選定し、邦楽アンサンブルの現在進行形を示すことができれば幸いである。
日本語の“密”にはその語感から様々な印象を想起する。大きなうねりを伴う「密集」、複雑で不可思議な「緻密」、甘美に響く「密航」、今回の各氏の作品にはこれらの空気感が「濃密」に漂っている。
そして一柳慧氏はかつて邦楽作品「密度」において、それぞれの楽器の特性に基き少しずつ変化した形で演奏される要素が様々に異なった時間の密度を育みながら空間的に幾重にも層を形成していくことを試みたとしている。
全ての作品が“密”を体現しながら音楽を介して我々の間に心的な紐帯を今一度喚起する演奏会となれば幸いである。
企画・制作・主催:現代邦楽“考”
助成:公益財団法人花王芸術・科学財団/文化庁「ARTS for the future!2」
本公演はアーカイブ配信を予定しております。
配信期間:2022年12月1日~12月31日
配信視聴料:2,000円
配信URL:https://filmuy.com/gendaihougakukou
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